アメリカ人が「AIっぽい」と感じる英語とは?-AI文体の特徴と回避のコツ

末永 恵

アメリカ人が「AIっぽい」と感じる英語とは?-AI文体の特徴と回避のコツ

アメリカ人はどれくらいAIで文章を書いている?

仕事での文章作成に、ChatGPTやGoogle Geminiなどの生成AIツールを使う人は多いでしょう。特に母国語ではない言語で文章を作成しなければならない場合、AIは大きな手助けになります。英文メールの下書きや語彙提案、文法チェックなど、時間と労力を大きく節約できるのが魅力です。

ではここアメリカでは、どのくらいの人が文章作成にAIを活用しているのでしょうか。YouGovの2025年8月の調査によると、米国成人の40%が「AIを使って文章を書いたことがある」と回答しています。特に若い世代ほど利用率が高く、30歳未満では57%が「AIを使った経験がある」と答えています。また、この世代の18%は「少なくとも週1回以上」AIで文章を書いているとのこと。つまり、AIによるライティングサポートは、若年層を中心にすでに一般的な習慣として浸透しつつあります。

ちなみに、AIを利用している人たちは以下の用途が多いそうです:

  • アイデア出し(50%)
  • 特定の文やフレーズの修正(48%)
  • 文章のパートの作成・修正(35%)
  • 文章全文の作成・修正(18%)

このことから、AIを文章作成に用いること自体がネガティブというわけではなく、「業務の効率化」において有効な手段として扱われていると言えます。一方で、ビジネス用途の文章にAIを使うことに対して慎重な声があるのも事実です。無用な議論を呼ばないよう、場合によっては「AIを使ったかどうか」が極力明らかにならないよう配慮する方が賢明でしょう。

 

AI文か人間文か?ネイティブが注目するポイント

「これはAIが書いたものだ」と感じるのはどんな文章でしょうか?いわゆる“AIっぽい英語”としてよく指摘されるのが、英文中に使われる「—(Em Dash/ダッシュ、長い横線)」です。アメリカではこのPunctuation(句読点)が人間の文章ではほとんど使われず、逆にAI生成文章では多用される、と言われています。ある記事では「Most Americans rarely use it — so when you see it, you might suspect AI-generated copy」などと紹介されています。

実際、米国成人に「人が書いたのかAIが書いたのか、どの程度判別できるか」を聞いた調査では、8%が「非常によく」判別できると回答。さらに「まあまあ(somewhat well)」と答えた人が32%、「あまり良くわからない(not very well)」が27%、「全くできない(not at all well)」が14%となっています。

つまり、英語ネイティブでも「AIかどうかを見抜く」のは簡単ではないというのが実情です。英語が母語でない我々にとっては、文章がAI生成かどうかという“微妙なニュアンス”を感じ取るのはなおさら難しいでしょう。一方で、AIの文章には一定の特徴があり、このポイントを知っておくと有用かもしれません。

 

AIっぽい英文に共通する3つのサイン

では、具体的にどのような文章が「AIっぽい」とされているのでしょうか。GrammarlyとコンテンツライターのAlyssa Wiens氏の分析では、次の3つが典型的な特徴として挙げられています。

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同じ単語の繰り返しや重複表現:表現や文構造がパターン化されており、語彙が特定方向に偏ったり、「同じ言い回し」や似た構文が頻出する傾向がある。特に段落の始まりが似たトーンで続くなど、リズムが単調になりがち。

機械的な文体・語彙・ニュアンス:語彙が整っていて読みやすい一方、個人的な視点や感情、微妙なニュアンスに欠ける。結果として、文章全体が“よくできているけれど心に残らない”印象になりやすい。

テンプレ感のある構成:AIはコンテンツの構造化が得意で、タイトルケースの見出し、きれいに揃った箇条書き、洗練された言い回しなどを自然に使いこなすことができる。しかし、こうした“完璧な整い方”が逆に人間らしさを欠く要因にもなる。人間の文章には、もう少し不均一さや即興的な要素が混ざっているものである。

このような特徴を理解することで、英文を作成・編集する際に「人間らしい自然なニュアンス」を加えるヒントになります。たとえば、単調な語彙を避ける、構成をあえて少し崩す、意図的に短い文や口語的な表現を挟む、具体的な視点・経験を盛り込む、などが有効です。

 

AIが好む英単語・フレーズ20選

次に、“AI生成文頻出ワード”をいくつかご紹介しましょう。以下には英単語とその日本語訳を列記します。これらの語が多用されていると少し「AIっぽさ」が漂うかもしれません。

AIで作った文章に多用されがちな英単語・フレーズ(Grammarlyより

delve into:掘り下げる/深く探る

underscore:強調する/浮き彫りにする

pivotal:極めて重要な

realm:領域/分野

harness:活用する/使いこなす

illuminate:明らかにする/解明する

That being said…:そうは言っても…

At its core…:本質的には…

To put it simply…:単純に言えば…

A key takeaway is…:重要なポイントは…

From a broader perspective…:より大きな観点から言うと…

Generally speaking:一般的に言えば…

Typically:通常/一般的に

Tends to:〜しがちである

Arguably:議論の余地はあるが…

To some extent:ある程度

Broadly speaking:概して言えば

Revolutionize:革命的に変える/刷新する

Cutting-edge:最先端の

Game-changing:大きな影響を与える/革新的な

もちろん、これらの単語が登場したら必ずAI文章というわけではありませんが、前述した「語彙が特定方向に偏る」という特徴と併せて“違和感”を判断する材料になります。

 

文章作成にAIを使う場合の注意点と“ばれない”ためにできること

AIを文章作成に活用すること自体は、効率化の観点から有効だと考えます。ただし、実務用途や対外発信を想定する際には、以下のような注意が必要です。

AIが参照する元データが誤っている可能性:
「正確に」と指示しても、AIが学習したソースに誤りがあれば、結果も誤ったものになります。特に年号・統計・固有名詞・数字などが使われる場合は、必ず人間が別情報ソースでデータのダブルチェックを行いましょう。

ニュアンス・視点・人間らしさが薄くなりがち:
AI文章は読みやすく整っている一方で、ニュアンスが不自然だったり、人が書いたときに見られる個性・経験・洞察が欠けることがあります。完成前に、人間の手による添削、もし母国語でない場合はネイティブチェックを入れることをおすすめします。

AI使用禁止のガイドラインがある、または「AIと悟られたくない」場合:
企業・学校・クライアントによっては「AI使用を明らかにしないほうが良い」というケースもあります。そのような場合には、以下に挙げるようなAI判定ツールを使って「AIっぽさ」が出ていないか確認すると、ひとつの目安になります。判定が「AI使用あり」のスコアが高ければ、数値が低くなるまで編集を加えてから提出しましょう。

おすすめのAI判定ツール

  • Originality.ai:AI生成かどうかのスコアリングが可能で、文章の“AIっぽさ”を数値化できる
  • Winston.ai:マーケティング用途の文章チェックに向いており、編集アドバイスも比較的充実
  • Copyleaks:英語だけでなく複数言語に対応し、「AI生成文かどうか」の検知精度も高いとされている

 


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